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雨水を過ぎ啓蟄を待つころ

月影と家路をたどる雨水かな 松村光典

福島県沖地震(2021年2月13日23時7分)は震度6強でした。久しぶりでオッカネガッタ。このごろは「天災は忘れたころにやってくる」のではなく、「のべつ幕なしやってくる」のです。同じ時は一瞬として無く、毎日は初めての経験のつながりです。あらためて防災の準備をしましょう。
もうすぐ東日本大震災10周年のその時を迎えます。今年は『大津波と里浜の自然誌』(岡浩平・平吹喜彦 編集)の刊行を予定しています。「はじめに」(案)から、生態学をアンカーとした本書を紹介しましょう。

「(前略)被災後すぐの春の訪れとともに動植物が活動を始め、若葉の展開や花々の開花、虫の羽音、鳥のさえずり、小魚の遊泳が、季節のうつろい・歳月の進行とともに広がりを増していきました。海浜植物の受粉を担うわずか体長数mmのハチ類、生態ピラミッドの上位に位置するタヌキやキツネ、オオタカ、ミサゴ、そして落葉・枯木の分解や菌根の形成を担うキノコ類も、自然の撹乱を乗り越えて、次々と姿をみせてくれました。本書でまず紹介されるのは、「生態系」という「多様な生物種と多彩な環境要素が織りなす、きめ細かい、しなやかな編み目」が、海辺に押し寄せた自然の猛威を和らげ、そしてほころびながらも自ら再生している実態と、それを可能にする巧妙な仕組み(生態系レジリエンス)を巡る気づきです。(中略)「‘特色ある生物と環境が織りなす、しなやかな編み目’としての生態系」がいくつも連なる砂浜海岸エコトーンにおいては、自然の理にかなった対応によってこそ、安定した防災効果や多様な生物資源・景観、多彩な地域文化といったさまざまな恵みに、末永く授かることができるに違いありません。これは、国際連合が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」、あるいは世界中で採用され始めた「健全な生態系を活用した災害リスク低減施策(Eco-DRR)」や「グリーン インフラストラクチャー」の考え方に合致するものです。私たちが調査・研究と復興まちづくり支援の活動拠点としたのは、宮城県仙台市宮城野区岡田の新浜地区です。(中略)住民や支援者の皆さんとともに私たちは、この地に仙台湾岸の砂浜海岸エコトーン・里浜を象徴する海辺が残存し、少なくても400年にわたって持続してきた暮らしが息づいていることを明らかにし、そして「地域ならではの自然と歴史に根ざした復興まちづくり、ふるさと創生」に取り組んできました。(後略)」

今年も読者の皆様に本を届けたいと思っていますが、構想はまだ頭の中です。うまくまとまって出てきてほしいものです。そしてCOVID-19にもご注意、ご注意!

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