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斎藤報恩会旧蔵史料叢書第1集 仙台町人の随筆・寺社参詣記
江戸時代の後期、仙台城下の国分町にあった紙店の手代(店員)佐吉が著した随筆・紀行文です。本書には佐吉が描いた当時の仙台とその周辺の町が12点掲載されています。
国分町には本屋(出版書肆)が多数おかれ、仙台藩の情報発信源でした。
佐吉は古川の「借家てうちんや」(提灯屋)養之助家に生まれ、幼名を幸四郎といいました。生年は寛政12年(1800)頃。
当時、川渡・鳴子温泉に11日間もの湯治旅行に出かけ、21歳の時にはいずれも近隣の日帰りながら年間12回におよぶ寺社参詣をするなど、近世後期の仙台商家の若い奉公人がこうした余暇活動を享受しうるゆとりあるものであったことが窺えて興味深い記録です。さらにこうした行動を記録し、和歌や俳句を詠み、自ら描いた挿絵を添えて随筆や紀行の著作としていたことは、近世後期の仙台商家奉公人の文化教養のレベルについても再考をせまるものといえます。
(本書は齋藤報恩会が旧蔵し、現在は仙台市博物館に所蔵されている史料群のうち、その一部を翻刻刊行するものです。)
口絵
著者:齋藤善之
ISBN:978-4-9912532-7-0 C0021
発行:NPO法人 宮城歴史資料保全ネットワーク
制作・販売:蕃山房
判型:B5判
1,650円(本体1,500円+税)
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